石島小夏のカラフルノート

カラフルノートで“思考”を可視化して、自分と向き合う&相手に伝える…!

弱い自分と守られている強さ

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キャンペーン · 長時間労働を撲滅して、日本から過労死をなくしましょう! · Change.org

長時間労働撲滅プロジェクトに署名しました。
毎日、毎日流れてくる電通社員さんの過労死事件の報道やそれについてのコメント。
昨日、夫くんの同期さんたちと飲んだ時に、

同世代だったら知り合いの知り合いってレベルの出来事だよね

という話になりました。
世代が下だから今回は知り合いの知り合いでもなかったけれど(もしかしたら後輩の知り合いかも知れないけれど)、テレビの中の出来事というよりは身近な出来事だと感じています。

私の友人にも電通さんで働いている人たちはいて、彼らは楽しそうに仕事をしている(ように見える)
でもね、電通さんに内定した人って、なんとなく入社前から可愛がってくれる先輩が既にいる感じがするんですよね。
体育会系だったり、芸大卒だったり、何かしらの共通項で弟みたいに可愛がってくれる兄貴分がいたりする。


そうやってどんなに激務でも守ってくれる人がいると人は頑張れてしまうことがある。
でも、守ってもらっている人たちは、自分が守られている事に気付かなかったりするんですよね。
一人暮らしするまで、親になんでもやってもらって、守られている事に気付かないこどもみたいな感じ。

だから、守ってくれる人に恵まれずにしんどい状態になっている人を「弱い」と切り捨てたりする。
そして、しんどくなっている側も自分が弱いと思い込んでしまう。


実は私も学生時代に仲良かった友人たちが、広告代理店や外資投資銀行外資コンサル、商社などで長時間働いている姿を見て、そこまで長時間働いているわけでもないのに仕事がしんどい自分を責めていた時期があります。
自分に体力がないのも、根性がないのも、やり続ける忍耐力がないのも、全部自分が悪いと思ったし、これくらいで弱音を吐くなんてお母さんに申し訳ないとも思った。
今振り返れば、当時の私の状況は労働時間と別のところで負荷がかかっていたし、結構しんどかったと思えるんですけどね。


でもね、20歳過ぎの小娘的にはそんな弱い自分を認めたくないのですよ。
そして、何故かここで逃げたら親に申し訳ないとか思ってしまったりする。

幸いにも当時の彼氏くん(今の夫くん)や友人たちが、「そのままの状態でも僕(私たち)は離れていかないよ〜。大丈夫だよ〜。」と受け入れてくたので、優等生プライドみたいなものを私は手放す事ができた。
そして、前職は定時で帰れることが多い職場で、「毎日12時まで働くなんて考えられないですよ!!」といった声を聞いて初めて友人たちや彼氏くんの長時間労働は「普通ではないのだ」と気付いた。


周りが当たり前のように長時間労働していると、それができない自分=弱いって思ってしまう。
でも、外の世界に出たら特別弱いわけでもなかったりする。
人は自分の周りの世界で物事を考えてしまうけど、世界を飛び出すとそこに居心地のいい場所が見つかるかも知れない。
それは、きっと逃げではないし、別に逃げても命を絶つよりはマシだけど、自分の周りの世界しか知らないと、世界を飛び出す事もできない。
外の世界を垣間見る余裕も無いくらい長時間働いていたら、どうやって逃げたらいいんだろう。


結婚した頃の夫くんの激務っぷりは1日数時間睡眠でどうにか生きている感じで、実は私は勤務時間を毎日メモしていた。
それは自分が感覚的に「遅い!!」って夫くんを詰めるのではなく、冷静に判断したかったから始めた事だけど、途中からエスカレートしたらこの労働時間記録とパソコンを労基に持って行こうと感じるくらいに労働時間が長くてびっくりした。
彼の場合は運良く限界を迎える前に身体が悲鳴をあげて偏頭痛を起こすので、そうなると帰って来ていたし、周囲の上司もそのサインを見ると「今日はもう終わりだね」と帰してくれていた。
夫くんが今の会社で働き続けられているのは、周囲の人間に恵まれているからだと思う。


それでも私はその生活を続けて欲しくなかったし、一緒に生活する私の方が気が滅入ってしまう(身体を心配したり、夜帰宅の音で起きたり、一緒に過ごす時間がなくて文句言ったり、そんな自分に自己嫌悪したり、一緒に住んだら付き合っている時よりしんどかった)ので、働き方を変えてくれるようにお願いした。
一方で、変な言い方だけど楽しく長時間労働している人がいるのもひとつの事実だと思う。
だから、もし夫くんが心から長時間労働したい!と思うならそれは二人の生活は折り合わないから別れた方が幸せだと思う、というような話もした。


夫くんは仕事は好きだけど、そんなに長時間労働したいわけでもなかったので働き方改善に取り組んでくれて、しかも運良く短時間労働が彼には合っていたらしく仕事の質も下げずに済んでいるらしい。
(本人談なので本当のところはわからないけど…笑)
で、これまたやっぱり周囲の人に恵まれたからその働き方を受け入れてもらっているんだよなぁ。


だから、私は夫くんに「あなたは運がいいことを自覚してね」という話をしているのです。
ちょっと偉そうだけど、彼が全部自分の力だ!と思ってしまったら下が育たない。
やるかやらないかは結局本人次第だから、もちろん自分の力でもあるんだけど、自分が運が良かったからできたと思っていたら、後輩を守る事ができるんじゃないかなぁ、と思うのです。
弱っちい私の視点を取り入れる事で夫くんが素敵な上司になってくれたらいいなぁ◎


私は私で周りの目を気にし過ぎずに邁進する夫くんの生き方を学ばせて貰っております。
夫婦もやっぱり外の世界なんですよね。